ヘッジファンドと投資信託の違いについて

ヘッジファンドと投資信託の違いについて

ヘッジファンドと投資信託の違いについて、きちんと説明できる人はどれくらいいるのでしょうか?

一般的にはあまり馴染みのないヘッジファンドですが、投資信託とは明確に違う点があります。しかし、それらを言葉にしてしっかりと説明できる人はあまり多くないようです。

どちらもプロにお金を預けて運用を委託する資産運用方法ですが、運用方法や投資対象商品などに大きな違いがあります。

この記事を読めば、「ヘッジファンドと投資信託の違い」についてきちんと理解することが可能です。

ヘッジファンドと投資信託の違い

ヘッジファンドと投資信託の違いについて一覧表にしましたので、そちらをまずはご覧ください。

このように表にしてみると、その違いがはっきりとわかります。

ここからは、1つ1つの違いについて解説していきます。

投資対象の違い

投資信託の投資対象が、株式や債券などの伝統的資産であるのに対して、ヘッジファンドは金融派生商品である先物やオプションなどのデリバティブも対象にしています。

対象投資家の違い

一般の投資信託はネットなどで広く投資家を募集する。一方でヘッジファンドは機関投資家や富裕層など一部の大口投資家を対象に募集することが多い。

運用目標の違い

投資信託は、一般的には日経平均株価やNYダウなどの指数をベンチマークとして運用する。そのベンチマークと同じくらいの収益を出すことを「インデックスファンド」といい、ベンチマークを上回る運用を目指すことを「アクティブファンド」という。

一方で、ヘッジファンドは指数や市場全体が下がっても上がっても必ずプラス収益を出すことを目指して運用する。このことから、ヘッジファンドは「絶対収益ファンド」と言われてます。

投資手法の違い

投資信託が将来伸びそうな銘柄や指数を買いで持ち越し利益を出すのに対して、ヘッジファンドは値段が上がると思えばロングで買いを入れ、値段が下がると思えば、ショートで空売りを入れることにより収益を出している。

相場下落時の対応の違い

投資信託は世界的経済に大きなショックを与える出来事が起きて、指数や株価が下落した際には持っている投資商品を現金化したり、リスクオフ資産としてゴールドの比率を高めたりして対応します。このことから投資信託は下落相場では、プラスが出しづらい運用になっています。

一方で、ヘッジファンドは相場下落時にも空売りによって利益を出すことができるのが大きな違いになっています。

投資戦略の違い

投資信託の投資戦略は、先ほど説明した指数連動型の運用方法や、常に運用資産いっぱいに株式や債券などを保有するフルインベストメントが一般的だ。

一方で、ヘッジファンドの投資戦略には様々な手法が存在し、状況に応じて柔軟に対応することができる。

ロング・ショート

ヘッジんファンドのメイン戦略となるロング・ショート。市場がどちらに動いても運用益を出すことが可能で、もっともメジャーな戦略として知られている。

イベント・ドリブン

M&A(企業の合併・吸収)など重要イベントを手がかりに売買する手法。イベントなどのファンダメンタル的に価格に影響を及ぼしそうな期間を狙って運用益をあげる手法。

マネード・フューチャーズ

CTAとも呼ばれ、世界中の通貨や金利・債券・株式を対象にした金融先物市場だけでなく、金や小麦・原油などの商品先物市場までカバーして投資を行う。

売りと買い両方のポジションを利用するので、相場が上がっても下がっても収益を得る可能性がある。一方的な値動きで利益が上がる「トレンド追随型」であることが大きな特徴で、コンピューターを駆使したシステム取引が主流である。

【参考記事】ヘッジファンドの投資戦略について

募集形態の違い

投資信託は一般的に「公募」といって不特定多数の投資家から運用資金を集めます。一方で、ヘッジファンドは「私募」といい、クローズドな場所でのみ募集を行うことが多いです。

投資単位の違い

投資信託は1万円~10万円で始められるものが一般的です。場合によっては、100円が始められるものの存在します。

一方で、ヘッジファンドは一般的には最低投資金額が1000万円のところが多いです。

【参考記事】ヘッジファンドはいくらから始められる?一般人でも投資はできるのか

報酬体型の違い

投資信託は「信託手数料」や「販売手数料」によって報酬を受け取っています。信託手数料は運用成績がプラスでなくても払う必要があります。

また、投資信託の運用者はサラリーマンなので、運用でプラスを出せなくても叱られて終わりになるので、モチベーションはそこまで高くない場合が多いです。

一方で、ヘッジファンドはファンドマネージャー自身が私財を投じて運用しているケーズが多く、報酬も「成功報酬」によるものが一般的なので、運用に対するモチベーションがかなり違ってきます。

結局どっちがおすすめ?

結論から言うと「人によって違う」です。万人受けする投資手法なんて存在しません。

しかし、どちらかに投資しようか迷っている人がいるのであれば、年齢や投資可能額にによって使い分けるのがよいでしょう。ある程度のまとまったお金がある方はヘッジファンドがおすすめですが、貯金全部使って投資するといった無茶な行動は避けましょう。

投資信託やヘッジファンドに限らず、投資は余裕資金で行うことを心がけましょう。以上が、「ヘッジファンドと投資信託の違い」でした。